今回はMaya2027のMotionMakerを実際に使って、モーションを生成してみた感想を書いていきます。こういうモーションが生成できます。

Mayaに搭載されているAIを利用したモーション生成機能。
自分で設定したルートをキャラクターが歩く・走る・ジャンプします。Maya2027では人間、犬、馬のモーションが生成可能。
Autodesk独自のモーションキャプチャデータのみを学習して作られていますAutodesk Media & Entertainment
先に結論から言うと、MotionMakerは自動で完成品を作るものではなく、完成度70%くらいのモーションを早く作ってくれる、という感じです。
どんな動きでも作れる訳じゃないので使いどころは限られますが、
- 4足動物の足運びが作れる
- アニメーションの土台を早く作れる
のはとても便利だと思いました。
動物が歩く速度を変えたり、カーブを曲がるときの足の踏みかえまで生成してくれます。
ここでは実際に使ってみて感じた、MotionMakerの良かった点と気になった点、どういう使い道があるかを書いていきます。
良かった点:動物の足の踏みかえが作れる
MotionMakerは動物の足の踏みかえが作れるのがよかった。
動物は移動速度によって足の動かし方が変わる。
ゆっくり歩いていた動物が速度を上げると、足を出すタイミングや体の上下動も変わります。
こうした歩き方が変わる瞬間を手付けで作る場合、ループモーションを並べるだけだともちろん不自然になるので、変わり目の辻褄合わせが必要なんですが、これがまあまあ面倒い。速度やタイミングが変わったらまた調整やり直しになるし。
一方MotionMakerでは、移動速度に合わせて足の動かし方を自動的に繋げてくれる。
こういう足の踏みかえを自動でつけてくれると大幅な時間短縮になる。

さらに驚いたのが、カーブを曲がるときの足の踏みかえもつけてくれる。
動物は走りながらカーブを曲がるとき、カーブの外側の前足から着地するように足運びを変える。

わかりやすくスロー撮影してます。
1つ目のカーブは右前足から着地するけど、2つ目のカーブは左前足から着地する走り方になる。
一瞬スキップみたいな動きが入って足運びが変わります。
↓スローじゃない実際の馬だとこんな感じ
00:38~00:40 のカーブは右前足が先に着地してるけど
00:40~00:45 のカーブは左前足が先に着地する
まさかこんな細かいところまで再現できると思わなくてびっくりだ。
他にも、ジャンプモーションでも足の踏みかえをつけることができる。
跳ぶタイミングにしゃがんで、足を踏ん張るポーズに繋げてくれます。
走りながらジャンプする動きを手付けで作るとき。もしジャンプしたいタイミングに足が浮いていたら、足を踏ん張るポーズになるように前後の足運びも辻褄合わせする必要がある。

MotionMakerはそのへんも結構キレイに足運びを繋げてくれたので、おお凄い!ってなりました。
今までこういうモーションを作るにはキャプチャデータを使うか、手付けで作るかって感じでしたが、そこにMotionMakerで土台を作るという選択肢ができたのはデカいです。
苦手な点:狙った動きの完全再現は難しい
ここまで良いところを書いてきましたが、MotionMakerには気になるところもあります。
狙った動きを正確に作るのが難しい。
まっすぐ一定速度で移動するだけなら、比較的軌道のとおりに動いてくれますが…
加速・減速が大きいほど、カーブが急なほど、設定した軌道からズレやすくなる。
(良く言えば自然な動きに補正しようとしてる)

レイアウトが決まってて正確にカメラに収めたい場合、MotionMaker1発出しは難しい。
ピッタリ軌道に沿わせる方法は一応ありまして、生成時のオプションを「全体をスナップ」にすればできますが、モーションの精度が落ちてぎこちない動きになりやすかった。
なので軌道から外れてもいいから普通に生成して、後から修正した方がよさそう。
また、俊敏な動きも精度が落ちやすいです。
例えば素早く180度ターンするとか、ジャンプから急停止するとか。
生成するとスライド移動したり一瞬変な方を向いたりしやすい。

パスを調整しつつ何度か生成し直したら上手くいくこともありますが、アクションゲーム的なめっちゃ速いモーションを作るのは厳しい。
生成したモーションの完成度は?
業務用のクオリティを作る前提の話になりますが
MotionMakerは最初から完成品を作るというより、完成度70%くらいのモーションを早く作るのに活用するのがよさそう。
先ほども書いたように、完全な狙い通りの移動を作るのは難しいので手作業の修正は必要になる。
そういう修正前提でいいなら、仮モーションのベース作りとして使い道がある。
すでにキャプチャーや完成品のモーションデータを持っているのであれば、それを使い回した方が手っ取り早い場合もありますが
そういった元になるデータがなく、ゼロから作るのであれば、MotionMakerで叩き台を作ってから調整する方が時短になる。

カーブで体が傾くところまでつけてくれる。
生成後の調整は必要だったとしても、何もない状態から作るよりは作業の負担を減らせます。
キャプチャーを気軽に撮れない4足動物ならなおさらです。
MotionMakerの使いどころ
実際に使ってみた感想をまとめると、MotionMakerは次のような用途で使いやすいと思います。
使える用途
- 4足動物の足運びを作る
- 移動モーションの叩き台を早く作る
- 企画やプレゼン用の資料を早く作る
手直しを前提に使える用途
- 狙った軌道で正確に走る
- 起伏のある地形での移動
- アクションゲーム的な俊敏な動き
使いどころは限られますが、犬や馬などの四足動物を扱う人なら、一度試してみる価値のある機能だと思います。
以上、MotionMaker使ってみた感想でした。